一人の人生を変えたJR車掌の決断 (No.273)


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 今のこの時期は受験シーズン真っ只中にあるわけですが、何気なく覗いたYahoo!にちょっとばかりいい話が載っていましたので紹介してみたいと思います。 受験当日に電車を乗り間違えてしまった女子中学生の話題です(Yahoo!ニュース:JR快速“温情”の臨時停車、乗り間違えた受験生救う)。

詳細は上のリンク先で確認していただきたいと思います(※リンクは既に切れていると思います)が、本サイトへも覚書として、事の顛末をかいつまんで書いておくことにします。

舞台は千葉県内を走るJR線です。2月3日朝、千葉県千葉市内にある公立高校の受験に向かうため、その女子中学生(15)は最寄りのJR蘇我駅から電車に乗りました。

彼女はJR内房線で千葉駅まで行き、そこでJR総武線に乗り換え、一つ隣の西千葉駅へ行くつもりでいました。

ところが、大事な受験を目前に控えて緊張していたのでしょう。反対側のホームに停車していたJR京葉線の上り通勤快速に間違って乗ってしまったそうです。

これは東京湾岸の一番海寄りを走る線で、沿線には東京ディズニーランド、ディズニーシー(これらをひっくるめて東京ディズニーリゾートというらしいです)があることで知られています。 終点は東京駅で、ちょうど通勤時間帯であったためか、間が悪いことに、蘇我駅を出た電車は、終点の一つ手前の地下鉄の乗換駅である八丁堀駅までノンストップであったそうです。

そのことに女子中学生が気づいたのは、それこそディズニーランドの最寄り駅である舞浜駅辺りに差しかかった時だそうです。このままでは大事な受験に間に合わなくなってしまいます。

彼女は不安で泣きそうな顔になってしまいました。それを周囲にいた通勤客が気がついたのでしょう。彼女から事情を聴き、事の成り行きを理解しました。 それからが素晴らしいところで、乗客が持っていた携帯電話で両親に連絡させたり、事情を説明するために満員の電車の中を最後尾の車掌室まで連れて行ってあげたり、 忙しい通勤時間帯であるにもかかわらず女子中学生のために大変な協力をしてくれたそうです。

知らせを受けた車掌さんはJR千葉支社に連絡すると、JR千葉支社も「若者の将来がかかっているのだから」と臨時停車を決め、車内放送で断ったうえで、 普段では決してあり得ない臨時停車をしてくれることになりました。

電車は午前8時10分過ぎ、途中の新木場駅(東京都江東区。ここから終点の東京駅までは10分ほど)で止まりました。ちなみにこの駅は、東京ビッグサイトへ向かうりんかい線への乗換駅です。

当駅での臨時停車に際しては乗客への安全のため各車両のドアは開けず、女子中学生は車掌室のドアからホームに降ろしてもらうことになりました。 無事ホームに降り立った女子中学生は今度こそ間違いなく西千葉駅まで行けるよう、新木場駅の駅員に乗り継ぎ方法を詳しく教えてもらい、下り電車に乗り込んで行きました。

その甲斐あって、女子学生は無事に試験に間に合った、と新木場駅に夕方、母親からお礼の電話があったそうです。

ともあれ、彼女にとってはとんだ受験日となってしまいました。が、助けてもらった人たちの力も借りて見事希望校に合格することができたなら、 今度は忘れることのできない良い思い出に変わるのではないでしょうか。

まだまだ寒い日が続きますが、そんな中にあり、ちょっとだけ心を温めてくれるような話ではありませんか。

【後日談】しばらくしてから今度は中学生のお父さんからJR千葉支社に、娘さんが無事合格したとのお礼の電話がありました。



                インディの鞭 日々の独り言 より










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