利ちゃんの前立腺がん 闘病記


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第2話 生検のため入院(2泊3日)





  ・2010年8月10日(火) 〜入院〜


10:00:入院。看護師から病院の施設概要や2泊3日の入院概容説明をうける。
10:30:手首に名前と生年月日、患者番号、バーコード等のついた、幅1pのテープを装着される。 その後2pm、7pm、翌朝起床時に検温するよう体温計と用紙を渡される。

11:45:麻酔担当医に呼ばれ、局部麻酔か全身麻酔について相談の結果、 腰椎椎間板ヘルニアをやっているので、腰に麻酔をする局部麻酔は腰痛を悪化させることがあるため、 全身麻酔でやりましょうということになった。

12:00:昼食
14:30:入浴する。ステンレス製の湯船があり、お湯に浸かるととても気持ちが良い。シャンプー・石鹸等はすべて持参だ。

15:00:ゆっくり効くという下剤2錠を飲む。
16:00:妻と一緒にO医師から手術の説明をうける。
18:00:夕食は一般食でとても美味しかったがビールが飲めないのが残念




  ・2010年8月11日(水) 〜手術〜


07:00:朝食は抜き
12:00:昼食は抜き

13:30:妻が病院に到着。(手術には家族の立ち会いが必要なため)
14:00:手術着に着替え、歩いて手術室に向かう。

14:10:手術実施。全身麻酔後、肛門から 超音波プローブ を挿入し、前立腺の位置を確認しながら会陰部より16本の針を刺して細胞を採取した。

・右手の甲には麻酔点滴用の針を刺され、同じく右腕には自動的に血圧を測る血圧計を巻かれ、 左手の甲には抗生物質の点滴の針を刺され、左人指ゆび先には酸素濃度を測る指サック、顔には酸素マスクといった状態だ。

・右手甲に刺した麻酔用の点滴は少ししみますと言われたが、点滴が始まると少しではなく相当に痛い。 我慢出来ずに、「すいません。すごく痛いんですが。」と言おうと思ったら、 麻酔が効き始めたのかほぼ同時に意識が無くなった。

15:10:手術後(1時間)すぐに全身麻酔から目覚め、ベッドに寝かされたまま病室に戻り、すぐに点滴開始。看護師からは歩いていいですと言われた。 手術をした患部が少し痛む程度で、気分は悪くない。

15:30:妻が帰宅する。
16:00:オシッコがしたくなったのでキャスター付き点滴台を押しながら普通に歩いてトイレに行った。歩いても痛みは全くない。 オシッコも普通に出来たが、多少患部が痛むのでオシッコを勢い良く出せない。

18:30:当初の予定では夕食は抜きだったが、食べても良いことになり、 朝から何も食べていないため、喜び勇んでキャスター付点滴台を押しながら病院内にあるファミリーマートへ夕食を買いに行き、 ホットコーヒー・サンドイッチ・バナナ・メロンパンを購入した。

19:00:面会室でTVを見ながら、買ってきた夕食をほぼ食べ終わろうとした時に軽い吐き気とめまいを感じた。 まずいと思い、病室に戻ろうとしたが、立つことが出来ず、意識も薄らいできた。 面会室には誰もおらず意識を失いかけた時に、面会客と思われる女性が一人入ってきたので、 看護師さんを呼んで貰った。気がついた時はベッドの上にいた。

19:30:原因は全身麻酔後の体調がまだ正常でなかったこと、朝食・昼食を抜いていた後、 急激に食べたため血液が胃に集まった貧血と判明。結果、翌朝まで、飲食禁止、歩くことも禁止されてしまった。

点滴(1500cc)をしていると、オシッコがしたくなるが歩くことを禁止されているため、 尿瓶(しびん)にしなければいけない。尿瓶を使った人にはわかるかもしれないが、 横になったままオシッコをするのは結構難しく、オシッコをしようと思ってもおしっこが出ないのだ。

意識を集中し、悪戦苦闘すること10分、やっとおしっこが出た。幸い放尿時の痛みも血尿もなくひと安心だ。 結局朝まで4回くらいこの悪戦苦闘を繰り返した。

02:00:夜中に目を覚ますと、向かいのベッドの老人が袋から何かを出して食べているようで、ガサガサ、ゴソゴソうるさい。




  ・2010年8月12日(木) 〜退院〜


06:00:検温・血圧測定の後、採血実施。朝から採血されるのもあまり気持ちの良いものではない。

06:30:泌尿器科のM部長が若い医師を連れて病室に見える。お酒は2〜3週間は控えることと、 自転車には乗らないよう注意をうける。

07:00:朝食。座ると患部が腫れているせいか痛いので、正座して食べる。 メニューはぶどうパン2個・クリームシチュー・牛乳・バナナ半分。 私が好きなパン食だったが、飲み物がコーヒーではなく牛乳なのが少し残念。

07:30:食事後便意を催したので、昨日から継続中の点滴台を転がしながらトイレに行ったら、黒い便が出て驚いたが、 昨日食べたのはパンとホットコーヒーだけなので、コーヒーのせいだと勝手に納得。

手術の際に肛門から直腸に超音波の器具を挿入した影響か、用便後にシャワートイレを使ったら、 肛門が切れているようで傷口に染みて痛かった。

09:30:昨日からの点滴(1500cc)がやっと終わり、最後の抗生物質の点滴(200cc)を実施。

10:30:点滴が全て終わり、昨日からずっと手の甲に刺さった点滴針を抜いてくれた。管から解放されなにやらホットする。

11:30:担当医との次回面接日の予約票を受取る。次回面接日は2週間後の8月26日(木)9:00となっていた。

12:00:昼食を食べる。

14:00:看護婦さんから退院しても良いとの指示あり。入院した時の腕輪を切ってもらいお礼を述べる。

14:30:1階の退院会計窓口でクレジットカードで支払いをする。 2泊3日の検査入院費用は¥39600(30%個人負担相当分)だった。(ほぼ予算どおり)

14:40:病院を出たら、台風4号の接近で雨が降っていてとても蒸し暑い。 着替えの入ったバッグを担ぎ、汗をびっしょりかきながら雨の中を駅まで15分ほど歩いた。




  ・退院後の状況


・横浜市民病院は年間200件くらい同様の手術を行っており、その意味で全てがマニュアル化されていて、 患者への説明や手術手順など手際が良く、技術レベルも高いと思った。 生検はやはり 実績のある病院で受けられることをお勧めしたい。

前立腺がんの治療方法で小腺源療法という手術があり、これも会陰部から針を刺して行う手術なので、 この手術実績のある病院ならばまず大丈夫だと思う。

生検は医師の熟練度により、術後のダメージが全くと言ってよいほど差がある手術のようだ。 それは「その他闘病記」の NさんIさんの体験談で理解できる。 しつっこいようだが、生検を受ける際は実績が多く熟練した医師のいる病院を受診されることをお勧めしたい。

・手術前の説明では、誤って尿管や精管を傷つけることがあり、その場合の後遺症など散々脅かされたが、 実際にはそんなことはなく、術後も患部が腫れぼったく、少し痛む程度で、思っていたよりダメージは無かった。 そういう意味では横浜市民病院を選んで良かったし正解だと思った。

・退院翌日は水分を多く摂取するよう指示されたため、1時間ごとにタイマーをセットし麦茶を飲んだ。 この日は一目でわかるほど血尿が一日中出たが、後にも先にもこの日だけだった。 椅子に座ると腫れている患部が座面と触れて痛むので、食事をするときは浅く腰かけ、それ以外は布団に横になっていた。

・オシッコが細く勢い良く出ないと言うより出せないし、 オシッコを絞ろうと力を入れるとおチンチンの根本(前立腺)が痛むのでオシッコが出切らずに残尿感があった。

・退院翌々日には患部の腫れも引き、椅子に座われるようになった。この時点で体調は90%回復したと実感した。 ただ、オシッコが勢い良くだせるようになるには後数日かかった。

ウエイトトレーニングが趣味でスポーツクラブに30年以上通っているが、 無理をしないよう退院後一週間はお休みし、トレーニングを開始したのは8月19日(木)だった。






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