利ちゃんの前立腺がん 闘病記


top TOP

第4話 治療方法を検討



 9月22日にO医師とCTスキャンやMRI検査の結果を踏まえ、治療方法を決めなければいけないため情報収集を行った。 検査結果が出なければわからないが、仮に初期の癌で前立腺内に留まっているならば2つの方法、すなわち 全摘出手術か小線源療法があることが分かった。

インターネットで調べてみると、全摘出手術は2006年から 東京医科大学病院で行われている ダヴィンチ を使った手術が最先端であり、もし全摘出手術をするならば絶対この方法だと思った。ただ、2010年時点では保険が適用されないため100万円くらい要する。 (2012年4月に保険適用となる

ダヴィンチはベトナム戦争時、戦場で負傷した兵士を本国から遠隔操作で治療するためにアメリカで開発 され、全摘手術の7割がこの方法で行われている。

小線源療法は手術と同等の効果が見込める治療法で、 これもアメリカでは古くから行われており、日本では2003年7月から治療が始まり、 高い治療成績を残していることも分かった。

IMRT などの体の外から放射線をあてる治療方法については、小線源療法や手術に比べ、体への負担は一番少なく優れた治療法だと思ったが、 前立腺がんにピンポイントで放射線を当てようとしても、どうしても周囲の臓器に放射線が当たってしまい、後遺症がでると 東京医療センター発行の 小線源療法の説明書P.3に書かれていたので諦めた。

全摘出による手術と小線源療法のどちらにするか、いろいろ悩んだ結果、以下の理由から小線源療法にすることに決めた。 ただ、小線源療法は癌が前立腺内に留まっている初期のがんである等の条件があり、今後行う骨シンチ・CTスキャン・MRI検査の結果を見ての話しになるのだが。



@ 全摘除術に比べ患者への身体的負担やリスクが少なく、入院期間も短い。入院日数は手術が約2週間、小線源療法は3泊4日だ。

A ダヴィンチは保険が適用されないため100万円かかるが、 小線源療法は治療費120万円だが、保険が適用されるため36万円(3割負担)で済み、さらに 高額医療費補助が適用され8万円位の負担で済む。

ただし、小腺源療法の場合個室を使用するケースがあり、その場合は個室費用が上乗せされる。 東京医療センターの場合個室利用が前提で、費用は¥23100/日なので、最終的な入院費は20万位になりそうだ。

B 無再発率は全摘手術や外照射法と同等である。

C 体内から病巣に直接照射するため、性機能障害や尿失禁などの有害事象が少ない。   特に性機能が効率に維持され(7割程度)、尿失禁など排尿への影響が少ない

D ヨウ素125のエネルギーが低いため、前立腺の周囲への照射が少なく放射線障害の発生が少ない。

E 術者による技術差が少なく治療成績が良い。




 ( 参考資料)

日本メジフィジックス 株式会社 →  前立腺がんと治療方法の入門編。

九州大学大学院医学研究院泌尿器科学分野 →  「小腺源療法」の長所・短所の説明。

切らずに治す「小線源療法」 →  「小腺源療法」の利点を説明。

外部照射と小腺源治療の違い →  両者の違いを動画で説明。








★ 前立腺がんに関する情報収集

 前立腺がんと診断されてから、前立腺がんについてずいぶん調査した。 病と戦うには、まずその情報を集める必要がある。 幸い、現在はインターネットがあり、また本も沢山出版されているので多くの情報を入手することが出来た。

ただ、情報は新しくないと意味がなく、古い情報は誤った判断をしてしまう恐れがあるので注意が必要だ。

前立腺がんの治療はそれまでは手術による全摘出か、体の外から放射線をピンポイントであてる外照射療法が主流だったが 2003年7月に前立腺に放射線を発する小さなカプセルを埋め込むアメリカ生まれの「小線源療法」が 解禁された。

しかし、新しく誕生した治療法も アメリカでは有効性が実証されているものの、有効か否か見極めるには5年くらいの実績が必要だったようで、 2年くらい前(2008年)に出版された本には、有効性を確定的に記述したものは見当たらない。

ところが、最近(2010年)に出版された本を見ると、初期の前立腺がんには 「小線源療法」が最適と書かれており、 良い時に前立腺がんになったと実感する。






BACK NEXT





home





email t-koba@qa2.so-net.ne.jp





inserted by FC2 system